腰痛×ぎっくり腰×ヘルニア×坐骨神経痛への鍼灸はり

 

鹿児島市荒田にある鍼灸院はりきゅう院さくらのサイトをご覧いただきありがとうございます。腰痛と言っても原因は様々。ぎっくり腰のように動けなくなるものから、動けるものの慢性的に痛いもの、腰の痛みと共に足がしびれるものなど多岐にわたります。ここでは、腰痛、しびれを呈する腰痛の原因や症状を紹介させていただきます。

院長の田中は公益社団法人日本鍼灸師会の臨床研修会に参加し生涯研修を修了して、医学教育基礎医学・臨床を学んでおります

その為、当院ではできるだけ正確な病態把握を基本に治療を行っており、お体の状態を説明した上で治療に入ります。また、JATAC-ATC育成講座「トレーニング科学講習会」を修了しており、スポーツトレーナーとしての資格を有しております。

 

コロナウイルス感染症対策

 

ぎっくり腰への対応

通常1日1回の治療となりますが、早く治したいという方には2回程お越し頂く場合がございます。

実は私も腰痛持ち。ぎっくり腰になってはいつも鍼、お灸、スーパーライザーを用いり集中的に自分自身へ治療を行います。すると次の日には気にしながらも動けるように、その次の日にはあまり気にならない程度まで回復しています。

施術効果は個人差がみられますので、1度目の施術で良くなればそれ以降の施術を終えても構いません。もう少しよくなりたい2回目、心配だからもう1度の3回目など、治療回数は患者様にお任せします。

ぎっくり腰の辛さはよくわかります。早く良くなってほしい一心です。

 

治療風景

腰痛の疫学

腰痛は、我々日本人にとって言うまでもなく主要な愁訴の一つです。こちらのデータは平成22年に行われた国民生活基礎調査になります。男性では最も多く、女性では肩こりに次いで2番目に多い愁訴となっています。日本人が有する症状のうち最も多いのは腰痛だということです。

東京大学の研究グループは、運動器関連症状の頻度を明らかにするため、全国8地域、12019人を対象とした大規模コホート研究LOKOMOスタディを実施しました。その結果、腰痛の有病率は38%(男性34%、女性39%)でした。わが国の40歳以上の人口のうち腰痛を有する人は2,770万人(男性1,210万人、女性1,560万人)と推定されています。

また、生涯8割の方が腰痛を経験し、その内の25%もの方が腰痛によって仕事を休んでしまうと報告されています。これだけ多くの方が苦しまれている疾患となります。

腰痛の分類

腰痛は男女ともに国民の愁訴の上位を占める症状で、複数回起こすものは20~40%と言われています。一般的には、腰痛の多くは4‐8週以内に治る急性痛ですが、一部の患者では慢性化に至ることが知られています。

腰痛は原因が明確な特異的腰痛と、原因が明確ではない非特異的腰痛の2つに分類されます。一般的な腰痛の70‐80%は非特異的腰痛と言われており、はっきりした原因は存在していないことが多いとともに、慢性痛患者の50%は何らかの症状を腰に抱えているのにも関わらず、その70%は原因不明な非特異的腰痛とされています。そのため、明確な原因が存在する方が少ないのが実情です。

 

原因が明確な特異的腰痛では骨の異常がもたらす腰痛が多く、その代表が変形性腰痛症であるとともに、その他、すべり症や圧迫骨折、脊椎骨折なども存在します。また神経が圧迫や狭窄を受けることで痛みを生じることも多く、椎間板ヘルニアや脊椎感狭窄症などがその代表です。さらに、椎間板や椎間関節に伴う痛み、靭帯や筋肉に伴う痛みも多くの確率で存在します。また、内臓からの関連痛も多く、腎盂腎炎、腎結石症などの腎臓系、膵炎、胆嚢炎、胆石などの消化器系、前立腺炎、尿路結石などの泌尿器科系、子宮内膜症、月経前症候群、子宮や卵巣の腫瘍などの婦人科系、さらには骨盤内炎症や腹大動脈瘤など様々な疾患が関与しています。

非特異的腰痛

非特異的腰痛とは、明確な原因が存在しない腰痛全般を指します。

例えば、椎間板ヘルとしてMRIなどの画像診断を受けます。そうすると痛みと画像所見が一致する、これは特異的腰痛となります。しかし、痛みと画像診断が一致しないものもい一定数あるという事がわかっています。これを非特定腰痛という事になります。腰痛には、画像所見や理学的検査で調べられない筋肉や靭帯、椎間板のような痛みも存在しています。そのため、原因を特定することはとても難しいものです。では、何が非特異的腰痛の原因なのでしょうか?

今考えられているのは、筋肉や椎間板、靭帯からの関連痛です。筋肉は関連痛を遠隔部に誘発することが知られています。また同様に、近年では椎間板や靭帯も関連痛を起こすことが知られています。このように、非特異的腰痛の中心は、筋肉や椎間板、靭帯などの深部組織からの痛みである可能性が高いと考えられています。もう一つの原因として心因性の腰痛があります。痛みが長期間続くと慢性化してしまいます。しかし、その割合は数%であり、非特異的腰痛の原因の中心としては考えにくいと思われます。

特異的腰痛

原因が確定できる特異的腰痛は、医療機関を受診する腰痛患者の15%くらいの割合と言われています。その内訳は、腰痛事態よりも坐骨神経痛を代表とする足の痛みやしびれが主症状の疾患である腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症がそれぞれ4-5%、圧迫骨折が4%、結核菌も含む細菌による背骨の感染や癌の脊柱への転移などの病気が1%、尿路結石や解離性動脈瘤などの背骨以外の病気が1%未満です。

特異的腰痛につきましては下記に詳しく説明させていただいております。

診察について

当院では様々な症状を丁寧な問診と徒手検査よりできる限り正確に鑑別し、ご納得頂ける治療を行います。

腰痛を診せていただく際には、何が原因で痛みが生じているを分類する必要があります。

①いつから、②痛みの場所、③痛みの質、④軽減悪化因子から判断し、おおよその組織を確定していきます。

①いつから:6ヵ月を基準。6か月以下が急性痛、6ヵ月以上が慢性痛と判断し、急性痛ではその原因を追及、慢性痛であれば最低限の原因を追及したうえで痛みのコントロールを行います。

②痛みの場所:痛むエリアが明確な場合は、皮膚や神経。各組織に炎症所見がある際にエリアがあいまいであったり、広範囲の場合は骨・関節・筋肉・靭帯・内臓などの深部組織が関係している可能性あり。

③痛みの質:鋭い痛みは皮膚や神経。各組織に炎症所見がある際の鈍い痛みは、骨・関節・筋肉・靭帯・内臓などの深部組織が関係している可能性あり。

④軽減増悪因子:常に痛い場合には神経。動きでいたい場合には関節・骨・筋肉。触れられていたい場合には皮膚。月経や食後などに痛い場合には内臓

などを考えます。

 

筋肉について

腰痛の原因としては、神経・関節などの障害が多く、所見が明確で原因が特定できる特異的腰痛と、靭帯や椎間板・筋肉など所見が明確ではなく、原因が特定できない非特異的腰痛があることを説明してきました。

ここでは非特異的腰痛の多くの原因と考えられる筋肉について考えていきたいと思います。

腰痛に関係しており、特に見逃されやすい筋肉が腸腰筋、腰方形筋、小殿筋の3つです 。

部位痛む仕草痛む場所
腸腰筋股関節屈曲脊柱付近や大腿前面
腰方形筋胸腰椎の側屈臀部から大腿側面
小殿筋股関節伸展臀部を中心に下肢後面、側面

また痛みの部位の関係は以下のように

痛みと動作の関係を以下のようになります

特異的腰痛

一口に腰痛といいましても様々な種類の疾患があります。

急性の痛み、慢性の痛み、又は重たい、痺れを呈するものなど様々です。

椎間関節性腰痛

・椎間関節捻挫

・椎間関節症

筋・筋膜性腰痛

変形性脊椎症

姿勢性腰痛

脊椎すべり症

脊椎圧迫骨折

仙腸関節障害

腰椎椎間板ヘルニア

梨状筋症候群

腰部脊柱管狭窄症

症病名を上げればほんの一部ですがこれだけあります。

 

ここでは腰痛疾患を解説していきたいと思います。

ご自身の症状に当てはまるものがあるかお読みください。

 

ギックリ腰

ぎっくり腰の図

重たいもを持った拍子に、急に体を動かした時に起こる腰痛の代表格ギックリ腰ですが、実は2種類の病態に分けられます。

1つは、椎間関節性腰痛の椎間関節捻挫。

もう1つは筋・筋膜性腰痛といわれるものです!

 

椎間関節捻挫

病態

椎間関節は背骨の後ろの方に位置する左右一対の小さな関節であり、上位腰椎(骨)の下関節突起と下位腰椎の上関節突起によって形成される関節面、滑膜およ関節包を有する完全な関節です。重量物の挙上や捻転などで外力が加わった時、関節包の断裂や嵌頓をおこし、激しい腰痛が発生します。発症しやすい部位は、腰椎の4、5、S1の椎間関節部に多くみられます。

症状

疼痛域は下位腰椎部に認められます。時にお尻、太ももにも関連痛が発現することもあります。主に前に倒したり、後ろに反ったりした時に強い痛みにより運動制限がみられます。起床時痛や靴下の着脱痛が認められます。

 

筋・筋膜性腰痛

病態

腰の筋肉や筋膜、及びそこを貫通している皮神経の変化に基づく疼痛状態を筋・筋膜性腰痛と称しています。強い筋力が作用した時、体の捻転で筋力のバランスが崩れた時などに起こります。慢性に発症する場合は、背筋がオーバーワークの状態で筋に異常な緊張、循環障害や酸素欠乏、疲労物質の蓄積を招くという悪循環をきたし、腰背筋の疲労による慢性の筋肉痛が発現します。

症状

重量物の挙上、体の捻転、時には長時間の屈曲姿勢保持や起立時に突然生じることもあります。激しい痛みの為歩行が困難になることもあります。発症時の痛みは強くなくても、時間の経過とともに強くなるものや、翌朝になってから痛みがひどいくなり起き上がれない事もあります。

 

しびれを伴う疾患

下肢にしびれを訴えていらっしゃる方は少なくありません。そのしびれの原因となりうる疾患と特徴をあげていきたいと思います。

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアの図

 

病態

坐骨神経痛の起因疾患として最も有名な疾患です。

椎間板の中心にはゼラチン様物質からなる「髄核」と、線維の走行が交差した厚い線維層からなる線維輪により構成されています。髄核は水との親和性に富み、若年層では88%が、老人では70%が水分含量であり、椎間板にかかる圧力の分散をはかりショックを和らげる役割をしています。

しかし、加齢とともに椎間板は少しずつ変性していき、特に髄核の水分が失われて全体量の減少と弾力性の低下をきたします。

その結果、椎間板の高さの減少と線維輪に弛緩が生じ、髄核が亀裂を通して抵抗の弱い後側方に膨隆、脱出してヘルニアになります。

ヘルニアの発生する頻度の高さとしては、第4腰椎と第5腰椎間が最も多くなっています。次いで、第5腰椎と第1仙椎間です。

ここでヘルニアの種類について簡単に説明いたします。

 

症状

潜在性ヘルニア

椎間板が後側方に腫れ上がって圧迫するもの。この状態では後縦靭帯を強く圧迫しているので、下肢症状よりも腰痛を激しく訴えることが多くなります。

脱出ヘルニア

症状が進行していくと、線維輪が全層にわたって完全に断裂をおこし、また後縦靭帯も破れて変性した髄核が脊柱管内や椎間孔内に侵入してくるもの。腰痛は減少して神経根の圧迫により下肢症状が強く現れます。

遊離椎間板ヘルニア

髄核物質が遊離体となって脊柱管内や椎間孔内に移動するもの。

中心性ヘルニア

稀なヘルニアで、脱出した髄核が馬尾神経を圧迫し、膀胱直腸障害や、運動麻痺を起こすもの。緊急な外科的処置を必要とする疾患であります。

椎間板ヘルニアの種類

 

腰部脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症の説明図

病態

腰痛、下肢痛、※間欠性跛行の3つの症状が、複合合併して現れる疾患を腰部脊柱管狭窄症といいます。

狭窄に関与する因子としては、椎間関節の変形、肥厚、骨棘、黄色靱帯肥厚、脊椎すべり症、椎間板ヘルニアや椎間板膨隆など、骨性因子と軟部組織因子の重複により神経根や馬尾が圧迫、絞扼され、馬尾及び神経根部の虚血や神経の伝達障害を起こします。

 

症状

腰痛、下肢痛、しびれ感、脱力感および特有の間欠性跛行です。

歩行時や起立時に異常知覚が出現することもあります。それは灼熱感、蟻走感、冷感として現れます。

症状が進行すると・・・

下肢の筋力低下、膀胱直腸障害、陰茎勃起、陰部灼熱感などを訴えます。

※間欠性跛行ー数10m~数100mの歩行で両側もしくは片側の下肢全体に疼痛、しびれ感、知覚異常、脱力感冷感などが現れ歩行不能になり、数分間の休息や前かがみになったり、座ったりすると再び歩行が可能になるという特徴的な症状であります。

 

梨状筋症候群

梨状筋が坐骨神経を圧迫しているところ梨状筋症候群の解剖図

病態

梨状筋という筋肉はお尻にあり、坐骨神経と密接な関わり合いを持つ重要な筋肉です。

この筋肉は、仙骨前面から起こり、大腿骨の大転子という場所へ付着します。一方坐骨神経の走行は梨状筋と同じように仙骨前面を通って大坐骨孔から臀部に出ています。

つまり坐骨神経は後方から梨状筋によって覆われているということです。坐骨神経と梨状筋の位置関係から、梨状筋が筋膜炎、筋攣縮、肥厚など起こしたりすると坐骨神経が絞扼され、梨状筋とそれ以下の下肢にかけて、坐骨神経支配域のい沿った痛みとしびれが生じます。

 

症状

痛みは強く、疼痛はお尻から太ももの後ろ、足首まで広がることもあります。

 

 

脊椎すべり症

脊髄分離症・すべり症

病態

脊椎すべり症は大きく分けて2つに分類することができます。一つは分離すべり症、もう一つは変性分離症です。

腰椎分離症とは、腰椎(腰骨)が重なる上の関節と下の関節の狭い部分が離脱し、骨性連絡がなくなった状態をいいます。

 

分離症の原因

骨格が未発達時期の成長期に起こる疲労骨折で、おもにスポーツ学童期の10才~15才に好発し、それ以後の発症は稀であるといわれています。

 

変性すべり症の原因

関節突起間部に分離がないのに上位椎体が開椎体に対して前方にずれている状態をいいます。中年以降(40才以上)の女性に多い事が特徴で、L4-L5タイプに好発します。腰椎で最も可動性に富む部位がL4-L5間であり、過剰運動の結果、腰椎に変性をきたし、椎間関節に変化が生じ、関節突起間部の離脱なしに前方にずれるといわれております。

 

症状

腰痛あるいは下肢のしびれ又は両者が共存します。しばしば筋力低下が現れます。重症例では神経根や馬尾の圧迫症状として根性坐骨神経痛、排尿障害、間欠性跛行を呈します。

分離症では、分離部の骨折による痛み、不安定性による靱帯や筋肉の痛み、椎間板性の疼痛が生じます。

変性すべり症では、重苦しい、だるい感じと言った漠然とした痛みを腰、お尻に訴え時には下肢にも訴えます。痛みは激しい運動や労作時に発現、増悪することが多く、安静や活動制限にり軽減するものが多いです。

 

 

腰痛

 

変形性脊椎症

変形性脊髄症の開設図

加齢による脊柱及び周囲組織の変性に起因する腰痛で、椎間板の変性、椎体の変形、椎間関節の関節症性変化、靱帯や傍脊柱筋の緊張、疲労、肥大、脊柱ならびにその周辺の循環障害などが重複して発症する疾患です。

中高年以上の腰痛で徐々に発症し、慢性の経過を示し、動作開始時痛や同一姿勢で痛みが増悪をみるものは変形性脊椎症の可能性をかんがえます。

 

姿勢性腰痛

姿勢性腰痛の図

日常生活の不良姿勢が習慣になると、やがて猫背の姿勢が固定され、これに起因して脊柱起立筋は拘縮を起こし筋疲労性の腰痛が発症します。

姿勢性腰痛は激しい疼痛ではなく、むしろ腰部の倦怠感、ツッパリ感、持続性の鈍痛などが多く、脊柱の運動痛は軽度である。著明な前彎増強が観察されます。

 

圧迫骨折

圧迫骨折の図

圧迫骨折は、大部分が骨粗鬆症を基盤とした椎体の圧迫骨折で、特に閉経期後の女性に好発します。

骨折は上下方向の力と前屈によって発症することが多く、老人の場合は爪を切ろうとして前屈した時、靴下をはく時、しりもちをついた時、バスで上下にバウンドした時、さらに骨粗鬆症が酷くなると、咳をした時など軽微な外力で安易に骨折することがあります。

 

以上のように、代表的な疾患、症状をあげてみました。

腰痛と言っても、筋肉が、骨が、神経が原因なのか、またそれらがいくつも重なって症状を呈しているのか?判断は難しいと思います。

腰痛は日常生活の動作で生まれてくるもので、筋肉の過緊張が原因の事が多いように感じます。

症状が急性期のものであれば集中して治療された方が速くよくなります。

症状が慢性の場合は、月に1、2回程度の治療をお勧め致します。

 

鍼灸施術の鎮痛機序

鍼灸

体に存在する様々な鎮痛メカニズムが存在しており、鍼灸で賦活させていることに繋がります。

まず、痛みがどのレベルなのかを判断します。

①いつから、②痛みの場所、③痛みの質、④軽減悪化因子から判断し、おおよそのレベルを確定していきます。

 

痛みのレベルに応じて施術を行う部位に、適した刺激量で行っていきます。

急性痛、慢性痛でも刺激を変化させていきます。

そして、下記にお示ししているような作用を利用し鎮痛をはかっていきます。

 

抹消レベルの鎮痛機序(疼痛局所への治療)

【オピオイド受容体を介した鎮痛】

炎症があるところには痛みを抑制する物質であるオピオイドを含有した免疫細胞が数多く存在しています。

鍼灸刺激より免疫細胞にオピオイドを放出させ、抹消の痛覚受容器に存在するオピオイド受容体に作用させることで鎮痛が起こります。

オピオイド受容体を介した鎮痛メカニズム

 

【アデノシンA1受容体を介した鎮痛】

鍼灸刺激で微小の組織損傷が起こると、細胞からアデノシン3リン酸(ATP)ATPが漏出します。

アデノシンは分解されるとアデニンになり、アデノシンが抹消の痛覚受容器に存在するアデノシンA1受容体に作用して鎮痛が起こります。

これが、疼痛局所に鍼を刺し上下に動かしたりする手技を用いる際の鎮痛メカニズムです。

アデノシンA1受容体を介した鎮痛メカニズム

 

脊髄レベルの鎮痛

【ゲートコントロール説】

疼痛局所やその対側、支配エリアの皮膚や筋肉などに鍼を刺して数分間おいておく時や、刺さない鍼で皮膚をさする際の鎮痛メカニズムです。

ゲートコントロール説

 

【下行性抑制系の賦活に伴う脊髄後角の抑制】

セロトニンというものが減少すると局所的に筋肉がこわばるという状態を引き起こします。

また、ノルアドレナリンというものが減少すると、交感神経亢進症状である冷えや血流低下などを局所的に引き起こします。

鍼の刺激により2つの物質を区別して分泌させる方法はありませんが、ノルアドレナリンも、セロトニンも抗重力筋との関係が深いことから、

抗重力筋への刺激が有効である可能性があります。

※抗重力筋とは立っている時でも、座っている時でも姿勢を維持するために働いている筋肉のことです

下行性疼痛抑制系の賦活に伴う脊髄後角の抑制

 

脳レベルの鎮痛

【下行性疼痛抑制系】

身体のあらゆる部位を刺激することで、脳の視床下部、中脳中心灰白質や延髄大縫線核から内因性のオピオイド物質を放出させるメカニズムです。

これには鍼通電や響きを伴うような刺激が必要になります。

体幹部に行うよりも手や足の末端に刺激を行うほうがこのメカニズムを賦活させやすいと考えられています。

下行性疼痛抑制系の賦活

体性感覚野における脳の機能局在

 

【広汎性侵害抑制調節】

全身のあらゆる部位に刺激を加えることで痛みを抑制するメカニズムです。

痛みで痛みを止める対抗刺激療法のメカニズムとして広く知られています。

広汎性侵害抑制調節

 

鎮痛機構以外の方法

【Ⅰa,Ⅰb抑制を介した筋緊張の緩和】

筋肉が緊張すると、こりや痛みを生じることが知られています。

一般的に筋肉の緊張により血流が低下すると発痛物質が局所に留まるため、痛みを誘発します。

筋緊張の強い部位にはりを行う際のメカニズムです。

Ⅰa,Ⅰb抑制を介した筋緊張の緩和

 

【血流改善(局所、または全身)】

血流の低下部位にはりを行ったり、四肢に刺激を行うことで全身のバランスをとる全身調整のメカニズムです。

局所、または全身の血活改善のメカニズム

 

【自律神経の調節】

痛みが長期に及ぶと交感神経が亢進した状態が続き、痛みの悪循環を形成します。

そのため、自律神経を調整することが、痛みの軽減につながります。

自律神経に影響の深い筋肉は抗重力筋と呼ばれる筋肉であり、

交感神経が亢進している時はこれらの筋肉は緊張しています。

抗重力筋を緩めることができれば、交感神経が抑制され、副交感神経優位となるため痛みの軽減につながります。

全身の筋緊張部位を緩めるようなはりや、リラックスを促すようなはりを行う際のメカニズムです。

自律神経調整 全身の抗重力筋分布

 

【体制自律神経反射を返した内臓調節】

痛みの慢性化に伴い自律神経のバランスが乱れると、様々な不定愁訴を生じ、それが痛みの悪循環を形成します。

そのため、各臓器の機能改善することが、痛みの悪循環改善には重要です。

各臓器を調節するには

1.臓器支配エリアのツボ刺激

2.臓器支配エリアのデルマトーム領域

3.臓器支配エリアもミオトーム領域

4.臓器支配エリアのスケルトーム領域

この4つがあります。

背部のツボやを使った鍼刺激により内臓機能を調整する際のメカニズムです。

 

【角質細胞を介した免疫・内分泌調整】

皮膚にある角質細胞(ケラチノサイト)が刺激されると、NO(一酸化炭素)か放出され、

脳の視床下部を刺激してβエンドルフィンを放出させるとともに、

脾臓を刺激してNK(ナチュラルキラー細胞)を活性化することが知られています。

皮膚への接触刺激や擦過刺激は、鎮痛を起こすとともに免疫細胞を活性化させ、免疫の働きを向上させます。

これが小児鍼などのよる痛みの抑制の際のメカニズムになります。

角質細胞を介した免疫・内分泌調整

 

【神経伝達物質を介した作用】

痛みが慢性化すると気分が落ち込み、不安や恐怖心が芽生え、それらがうつなどを引き起こすことで強固な痛みの悪循環を形成します。

全身の鍼刺激により、セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を増加させます。

セロトニンはうつなどの気分や鎮痛

ノルアドレナリンは情動

ドーパミンは運動や情動

と関係があることから、鍼刺激によりこれらの伝達物質が増えれば、

痛みに関連した様々な症状が改善するものと考えます。

具体的にどのような刺激頻度が良いのかにについては明確ではありません。

しかし、動物実験では鍼通電が多いことから、

脳への影響が強い四肢に鍼通電を行うことが効率的であると考えられています。

鍼治療で気分や情動が改善する際のメカニズムです。

 

これらの治療機序を元に治療パターンを組み立てていきます。

鍼灸治療で痛みや機能を改善するためには、これまで示したいずれかの機序を働かせる必要があります。

症状が慢性化すると

痛みには急性痛と慢性痛があります。

急性痛である感覚的な痛みは組織の損傷、機能障害、機能低下とあり、痛みを感じている脳の部位は体性感覚野の第1次体性感覚野や第2次体性感覚野となります。

痛みが続き慢性痛の状態になると、不安や抑うつ、怒りなど情動系が関係する痛みになります。痛みを感じている脳の部位は大脳辺縁系に移り、前帯状回、扁桃体、島皮質となります。

更に慢性化が進むと認知され、記憶、無意識の認知、痛みの体験、痛みの捉え方が関係してきます。この頃になると痛みを感じている部位は前頭葉の前頭前野(背外側前頭前野)になります。

前頭前野には以下のような役割があります。

慢性の痛みや症状が続くことにより前頭前野の働きが悪くなると、思考すること、行動を抑制する事、コミュニケーションする事、情動を抑制する事、記憶をコントロールする事、意識・注意を集中する事、注意を分散する事に影響がでてくると言われています。文字で読むとわかったようなわからないような…。例えるとすれば、物事を順序立てて行えなくなったり、暴飲暴食したり、人との付き合いが面倒になったり、ご飯を食べに行ってメニューをすぐ決められなかったり、すぐ怒りやすくなったり、物事を思い出せなくなったり、集中力がなくなったり、ゲームを一晩中してやめれなかったり。というような症状が起こっているかもしれないという事です。もちろんすべてに影響が及ぶわけではありませんが、前頭葉の前頭前野は私たちが生活するうえでとても大切な機能を担っています。鍼灸はこの前頭前野の活性を促す報告が、様々な研究から出されています。当院でも前頭前野の活性を促す施術法を行っております。

その方法がこちらになります。

この方法と腰痛患部に施術を行うことで、長い間悩まされていた症状を緩和させていくことを期待します。

スーパーライザー

 

スーパーライザー

当院で使用しているレーザーは、

Low reactive Level Laser Therapy(LLLT)で日本語では低出力レベルレーザー治療と言います。

 

レーザーの特徴は4つ。

単色性

指向性

コヒーレント

高エネルギー

これらの特徴を活かし生体に刺激を加えていきます。

 

特にLLLTの作用としては以下の項目が挙げられます。

神経:興奮抑制、神経修復、疼痛緩和

細胞活性化作用:ATP産生促進、骨格筋の再生、血管新生、骨芽細胞の増殖、骨形成促進、骨修復など

生物学的作用:血流改善、創傷治癒の促進、抗炎症作用、肥厚性瘢痕やケロイドの軟化、平坦化、腹腔内の癒着の剥離

免疫:過剰免疫反応の抑制

 

当院で使用しているスーパーライザーはLLLTです。

鍼灸と併用することによりこれらの疾患に対応していき、痛みを緩和させていきます。

 

スーパーライザー

施術料金

初診料¥1,000円

施術費¥5,000円(スーパーライザーの使用料金も含みます)

 

🔻ネット予約はこちらから🔻
予約サイト
099-811-4297

 

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